より“豊かな”くらしを実践するエコビレッジ――Browns Field

2019年4月9日

6月21日はインド政府の提案で国連に制定された「国際ヨガの日」。“より多くの人々にヨガの素晴らしさとその精神を体感してもらいたい。ヨガをより多くの人に広めたい”という思いから、YOGA
MUDRAは始まりました。今年で2年目、2回目になる国際ヨガの日にイベントYOGA MUDRAは全国各地で開催されました。

今回千葉で開催される場所は千葉県いすみ市にある“エコビレッジ”、ブラウンズフィールド。エコビレッジとは「お互いが支え合う社会づくりと、環境にかける負担を少なくし自然と調和しながら生活していく」コミュニティのこと。

ブラウンズフィールドは“食を中心として、自然と繋がった暮らしをしたい”と考える写真家のエバレット・ブラウンさんとマクロビオティック料理研究家の中島デコさんの住まいであり、カフェ・宿泊・イベントなどをおこなう場所として、訪れる人たちに心地よい暮らしを提案しています。

“農園ではオーガニックなお米とお野菜を育て、日本の伝統食である醤油や味噌、梅干し等に代表される発酵食品も手作りしています”
http://brownsfield-jp.com/about/より)

マクロビオティック料理の研究家である中島デコさん。「マクロビオティック」は、「マクロ=大きな」「ビオ=生命」「ティック=術、学」の3つの言葉からなりたっていて、古代ギリシャ語を語源とした、「自然に即した命のあり方」という意味です。マクロビオティックには、身土不二と、一物全体という2つの原則があります。身土不二は、その人が暮らす土地の旬のものを食べるということ。人間は生まれた環境と一体で2つには別れないよ。という意味です。

例えば、熱帯地域でとれるフルーツには体内の熱を下げる働き、寒い地域でとれる野菜には体内を温める働きがあり、四季のある日本では、季節ごとの旬の食材をとることで、からだのバランスがとれるという考え方です。一物全体は、自然の恵を残さず丸ごといただくのが大事ということ。ひとつのものを丸ごと食べる、という意味です。食材そのものは、丸ごとでバランスがとれており、穀物なら精白していない玄米、野菜なら皮や葉にも栄養があり、全てを摂ることでからだのバランスがとれるという考え方です。

もう一つ、マクロビオティックでは、すべてのものに「陰」と「陽」がある、という考え方があります。陰性とは遠心力・静かなもの・冷たいもの・水分の多いものなどを指します。陽性とは求心力・動きのあるもの・熱いもの・水分の少ないものなどを指します。陰性と陽性、どちらも良い悪いはなく、どちらにも偏らず、バランスのとれた状態が大事なのです。マクロビオティックというと、ストイックなイメージを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、そんなことはありません。昔のおばぁちゃんたちが大事にしていた日本の伝統的な穀物や野菜、海藻、乾物、発酵食などを中心とする食事を摂ることにより、自然と調和をとりながら、健康な暮らし、平和な世界を実現する考え方なのです。

“カフェやコテージでは、ブラウンズフィールドや近隣の農家さんの畑で採れた食材で作る、玄米菜食のお料理をお召し上がりいただけます。調味料から手作りしているので、ぜひゆっくりと味わってみてください”
http://brownsfield-jp.com/about/より)

ブラウンズフィールドではさまざまなワークショップを開催しています。広大な土地で自然や作物と触れ合う農業体験や、生活と食の豊かさをまるごと体感できる全6回の連続スクール『サスティナブルスクール~食とくらし~』、ティピを作ってネイティブアメリカンを味わおう!など、他では体験できないようなイベントが季節に合わせて実施されています。

エバレット・ブラウンさんと中島デコさんは2016年のYOGA MUDRA国際ヨガの日に施設を無料でご提供くださいました。サンスクリット語で「繋ぐ・統合」という意味を持っているヨガ。ブラウンズフィールドと縁を繋ぎ、当日ご提供いただいた場所でまた人と人、人とヨガ、人と場所を繋いでくれます。

世界147ヵ国で同時に行った国際ヨガの日。時間や空間を超えた縁や体験が繋がって広がっていく日。共有した時間や体験は、かけがえのないものになるはず。


Text / 伏見優美プロフ

Webサイトやコンテンツ制作を行いながら、日々の生活のなかでヨガの学びを深める。
米国ヨガアライアンス認定RYT200修了