日常に取り入れる自分にとってのヨガ実践

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「ヨガ」と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか

多くの方は、マットの上でポーズをとりながら体を動かす運動のようなものを想像されるかもしれません。例えば、あぐらをかいて(=安楽座)呼吸を整え、いくつかのポーズをとった後、最後に仰向けに寝転んでリラックスする時間を持つ――この「シャバーサナ(屍のポーズ)」と呼ばれる締めくくりの姿勢では、体と心が深く安らぎ、ヨガの効果を実感する方も多いでしょう。確かに、マットの上でのヨガはとても大切な実践です。しかし、ヨガにはそれだけではない、もっと広い世界があることをご存じでしょうか。

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ヨガの本来の意味とは

「ヨガ(Yoga)」という言葉の語源は、サンスクリット語の「ユジ(Yuj)」という言葉に由来します。その意味は、「つなぐ」「結ぶ」「調和させる」など。つまり、ヨガとは本来、体と心、内面と外界、自分自身と他者など、様々なものを「つなげる」ための行為なのです。マットの上でのヨガも、「つながり」を感じるためのひとつの方法です。例えば、ポーズをとる中でご自身の体の状態に気づいたり、呼吸に意識を向けて心を落ち着かせることができる。それは、自分自身と丁寧に向き合う時間でもあります。

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ですが、「マットの上でなければヨガではない」ということはありません。ヨガの目的が「自分とつながる」ことならば、その方法は人それぞれであってよいはずです。瞑想で静かな時間を持つこと、外に出歩き散歩をすること、好きなものに触れて作業に集中すること、自然の中に身を委ねること。こうしたひとときに、心と体が調和し「自分とつながる」感覚が生まれることがあります。ほんの数分でも、自分の呼吸や感覚に意識を向けることができれば、立派なヨガの実践といえるのです。

 

私にとって「自分とつながる」時間として大切にしている習慣のひとつが、安楽座の姿勢で行う瞑想です。呼吸をゆっくりと深めながら、次々と浮かぶ思考を一度休めて内側に意識を向けていくと、心が穏やかになり、自然と気持ちを整えることができます。この時間は、リラックスするだけでなく、日常の中で気持ちを切り替える大切な節目にもなっています。

 

もうひとつ、大切にしていることはコーヒーを淹れるひとときです。お湯を注ぐときに広がる香りに心が和らぎ、カップから立ち上る湯気や味わいに意識を向けることで、深く自分自身と向き合う時間になります。静かな時間を通して、今ここにいる自分を感じ直し、自分にとっての心地よさやバランスを取り戻しているように思います。


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ご自身にとっての「ヨガ」を見つける

ヨガとは、体を動かすことだけを意味するものではありません。日々の中に、自分とつながる小さな時間を見つけること。それこそが、本来のヨガのあり方ではないでしょうか。忙しい毎日の中でも、自分自身を大切にするための時間を、ぜひ見つけてみてください。皆さんにとっての「ヨガ」がマットの上に限らず、日常の中に静かに根づいていくことを願っています。

 


 

Text/ HIROMI

米国ヨガアライアンス認定RYT200修了。運動不足解消目的にヨガを始める。その後もヨガを日常に取り入れ学びを深める。